敷地図と同時に延焼ラインを作図

確認申請で配置図に延焼の恐れのあるラインを記入することが必須になってきました。道路幅があって建物が敷地から十分に離れていても、記載しないことの理由にはなかなかなりません。どのみち記載するのであれば、敷地図を作成する段階で延焼ラインを作図する習慣にしたほうがよいかもしれません。

さて「JG_敷地延焼線」は、敷地と道路形状から敷地の延焼ラインを作成する外部変形(ソフト)です。敷地境界線と道路の反対側の境界線を入力することで延焼の恐れのある部分を自動的に描画します。

ソフトウェアサイトVectorからダウンロードする場合はこちら

2019年の法改正で延焼範囲を緩和できるようになりましたが、本ツールは、従来どおり敷地条件のみから延焼ラインを作成します。(告示緩和を利用する際は「JG_延焼線緩和」をご使用ください。)

JG_敷地延焼線 実行画面

さて、このスレッドでは、敷地が異幅道路や行き止まり道路などの特殊な道路に接する場合に、延焼ラインがどのような形態をとるのか考えていきたいと思います。どちらかというとイレギュラーなケースを扱いますが、このツールの特性を理解していただくにはよいかと思います。

下の図は、JG_日影測定線のスレッドで一度お話しした隣地境界線と道路中心線の結合方法についてです。延焼線の場合も測定線と同じように隣地境界線を道路中心線まで延長して結合する方法(イ図)と、道路に垂直な「みなし境界線」を介して結合する方法(ロ図)があり、どちらを選択するかによって出力結果が若干異なります。本ツールの描画設定画面で、以下の項目のどちらかを選択して下さい。

①隣地境界線を延長して結合する(イ図)

②道路に直角なラインを介して結合する(ロ図)

JG_敷地延焼線 敷地境界線と道路中心線の結合方法①(イ図)

JG_敷地延焼線 敷地境界線と道路中心線の結合方法②(ロ図)

延焼線は、①(イ図)は直線での結合になりますが、②(ロ図)はみなし境界線と隣地境界線の交点(出隅)が中心の円弧でつながります。安全側は①です。

結合方法1 青印部分の拡大図(ハ図)

結合方法2 青印部分の拡大図(ニ図)

次の図は、敷地が異幅道路に接する場合の延焼線です。A図は敷地の反対側の道路境界線が「かぎ型」になっているのに対し、B図は敷地境界線が「かぎ型」になっています。道路中心線の位置が、A図では境界線がズレた位置にきますが、B図では設定したみなし境界線(みなし道路)の中心の位置にきます。その結果、延焼線の円弧の位置が異なっています。

尚、本ツールでの道路の入力方法もA図とB図では異なります。A図で注意するのは、反対側の境界線がズレている部分の直交線分の入力(反対側道路入力②)が必要になること。またB図では、みなし道路境界線を設定する必要があることです。この「みなし道路境界線」を含めて反対側の道路境界線を3カ所入力する必要があります。

JG_敷地延焼線 異幅道路の解法1(A図)

JG_敷地延焼線 異幅道路の解法2(B図)

みなし道路境界線の入力が必要なのは次のL型道路に接する場合も同じです(C図)。あらかじめJw_CADで円弧を描き幅員と同じ距離の位置に下線を描いて本ツールに取り込んで下さい(操作方法参照)。またツールの入力画面で反対側の道路境界線を3カ所入力する必要があります。ここで注意することが一つあります。先に述べた隣地境界線と道路中心の結合方法については、②「道路に直角なラインを介して結合する」を選択してください。①「隣地境界線を延長して結合する」を選択するとNGになります(D図)。このように敷地境界線と平行にならない場合は①が選択されているケースがほとんどです。その場合は再度ツールを実行して下さい(その際「直前を再現」コマンドを実行すると再入力の手間が省けます)。

JG_敷地延焼線 L型道路の解法(C図)

JG_敷地延焼線 L型道路の解法 結合方法①(隣地境界線を道路中心線まで延長)を選択した場合(D図)

もう一つ「みなし道路境界線」の入力が必要になるケースがあります。次の行き止まり道路が直交する場合です。この場合、E図のように円弧どうしが連結した特徴的な延焼線が現れます。反対側の道路入力は1カ所のみになります。ただしこの場合も結合方法は②を採用して下さい(以降同じです)。

JG_敷地延焼線 敷地に直交する行き止まり道路の解法(E図)

次のF図は行き止まり道路が敷地に入り込んだ場合です。多くの場合は2階以上の延焼ラインが半円を伴って現れます。またこの場合は反対側の道路境界線を「みなし道路境界線」を含めて3カ所入力する必要があります。みなし道路境界線以外は対岸の敷地境界線に一致するので注意してください。スレッド「JG_日影測定線」の操作方法で解説しています。

JG_敷地延焼線 敷地に入り込んだ行き止まり道路の解法(F図)

最後に敷地に平行な行き止まり道路に接する場合です(G図)。この場合、反対側の道路境界線の入力は1カ所のみです。延焼線の円弧の中心は、道路中心線の端部ではなく、隣地境界線と道路中心線を仲介する「みなし境界線」と隣地境界線の交点になります。

JG_敷地延焼線 敷地に平行な行き止まり道路の解法(G図)

JG_敷地延焼線は、延焼線の描画が主体ですが、オプションで道路中心線、道路幅員、敷地境界線の延長、敷地面積を同時に記載することができます。

敷地と道路の関係をデータ化することによって、そこから派生する様々な与条件を自動的に取り出し、配置図に記載したり、計画の参考データにするなど、設計の効率化に貢献できます。JG_敷地延焼線はその目的で開発したツールの一つで、他のJG_日影測定線や、JG_壁面後退線、JG_近隣範囲図、JG_斜線等高線(開発中)も同様です。そういったことから、本ツールも含め、これらのツールで入力した敷地や道路の位置データを相互に利活用することができます。それぞれのツールに付随しているEXCEL書き出し機能を使用することで、一度入力したデータを再利用できます。また、これらのツールをメニュー化してひとつのパッケージにした「Jw作図」という外部変形(ソフト)があります。こちらを使用すると、敷地・道路データをソフト内に記憶させることができるので(新しいデータで書き換えるまで有効)操作性が向上します。期間限定で配布していますので、ご希望の方はソフトウェアサイトのVectorよりダウンロードしてご使用ください。

操作方法は、以下の通りです(操作方法はJG_日影測定線どほぼ同じです)。

【1】zipファイルを解凍し、JWWファイル内または任意の場所に保管します。

【2】Jw_cadの[その他]メニュから外部変形コマンドを選択します。

【3】ファイル選択で、保管した場所にあるJG_延焼線緩和フォルダ内の延焼線緩和.BATをクリックします。

【4】Jw_cadの左上に表示されるメニューから、「敷地延焼線」「注釈記載」のどちらかを選択します。

JG_敷地延焼線 Jw_CAD初期画面(図面を全て選択)

JG_敷地延焼線 チュートリアル ~操作の流れ~


    
 ≪ A 敷地延焼線 ≫

【5】敷地境界線と道路を示す図形を全て選択し、「選択確定」ボタンを押します。

【6】敷地境界線入力フォームに選択した敷地地境界線と道路が表示されるので、敷地境界点を時計回りで順にクリックし、全ての境界点のクリックが終了した際は「入力(次へ)」ボタンを押します。直前のデータを利用する場合は、「直前を再現」ボタンを押します。

補足:閉じた敷地境界線を入力した場合は、「閉じた領域が見つかりました(省略)」のメッセージが表示されるので、確認し「入力(次へ)」ボタンを押します(境界点の入力は省略できます)。変更する際は、「取消」ボタンを押し、このフォームで境界点をクリックして入力し、「入力(次へ)」ボタンを押す 

JG_敷地延焼線 敷地境界点の入力(閉じた敷地境界線を入力した場合は省略できます)

 

【7】「境界種別を選択します(以下省略)」というメッセージが現れ、境界種別入力フォームが立ち上がります。右上の境界線リストから境界線番号を選択(複数選択可)し、リスト下の境界種別「道路境界線」、「隅切」、「隣地境界線」の3つから1つを選択し「決定」ボタンを押します。未入力の場合は隣地境界線となるので、隣地境界線の入力は省略できます。変更する場合は、リストを選択し、変更する境界種別を選び、「決定」ボタンを押します。道路と隅切を全て入力した際は「次へ」ボタンを押します。直前のデータを利用する場合は、「直前を再現」ボタンを押します。 

JG_敷地延焼線 境界種別の入力

【8】「リストから道路境界線を選択し(以下省略)」というメッセージが現れ、反対側の道路境界線入力フォームが立ち上がります。右上の境界線リストから該当する道路境界線番号を選択し、反対側の敷地境界線を時計回りで2点クリックし「入力」ボタンを押します。入力するとライン上に境界線番号が表示されます。異なった番号が入った場合は「削除」ボタンを押し再度入力します。また、【7】で隣地境界線を選択した場合でもこのフォームで道路境界線に変更できます。全ての道路境界線の入力が終了した際は「入力完了」ボタンを押します。直前のデータを利用する場合は「直前を再現」ボタンを押します。 

JG_敷地延焼線 反対側の道路境界線の入力

 捕捉:行き止まり道路が敷地に対し直角になる場合は、道路幅員と同じ距離の位置を道路境界線とみなして入力して下さい(事前にJw_cadでラインを作成する必要があります)。また、その道路が敷地に入り込む際に敷地の一辺が反対側の道路境界線となることがありますが、その場合でも入力が必要です。 

【9】描画設定入力フォームが立ち上がります。道路情報の記載設定から、「道路中心線を記載」、「道路幅員を記載」、「遠隔距離を記載」、を行うか選択します。次に、レイヤグループ、レイヤ、線(色)番号、使用する文字種を入力します。次に、隣地境界線と道路中心線の結合方法を「隣地境界線を延長して結合する」か、「道路に直角なラインを介して結合する」か選択します。 

JG_敷地延焼線 延焼線描画設定

【10】「設定完了」ボタンを押すと、Jw_cadの画面に延焼線その他が出力されます。

JG_敷地延焼線 Jw_CADへの出力結果

 ≪ B 各種注釈 ≫

【5】~【8】  ≪ A ≫ の行程に同じ。

【9】描画設定入力フォームが立ち上がります。道路情報の記載設定から、「境界線延長を記載」、「道路中心線を記載」、「道路幅員を記載」、「敷地面積を記載」、「敷地境界点を記載」を行うか選択します。また、レイヤグループ、レイヤ、線(色)番号、使用する文字種を入力します。

【10】「設定完了」ボタンを押すと、Jw_cadの画面に各種注釈が出力されます。

 補足: ≪ A ≫ と ≪ B ≫ の行程は共に同じ敷地情報を使用します。どちらかで入力したデータは本ソフト内に記録されるので、「直前を再現」ボタンを使用することで、二度入力する手間を省くことが出来ます。また、【8】の入力の最後に「Excel書出し」ボタンを使用すると、任意のエクセルシートにデータを保存することができ、「JG_測定線作成」「JG_近隣範囲図」「JG_壁面線後退」等の他の外部変形ソフトに使用できます。   

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