月: 2022年10月

敷地延焼線を深掘りする

🏠 敷地延焼線を深掘りする

今回は、「JG_敷地延焼線」 に関連して、敷地の延焼線、つまり 延焼のおそれのある部分 について詳しく整理します。

主なテーマは、敷地が次のような特殊な道路に接する場合、延焼ラインがどのような形状になるかです。

  • 異幅道路に接する場合
  • L型道路に接する場合
  • 行き止まり道路に接する場合
  • 行き止まり道路が敷地に入り込む場合
  • 敷地に平行な行き止まり道路に接する場合

いずれも、一般的な道路条件とは異なるため、ややイレギュラーなケースになります。

📐 隣地境界線と道路中心線の結合方法について

延焼線を作成する際には、隣地境界線と道路中心線をどのように結合するかが重要になります。

これは、以前 「JG_日影測定線」 の説明で取り上げた、隣地境界線と道路中心線の結合方法と同様です。

主な結合方法は、次の2通りです。

① 隣地境界線を道路中心線まで延長して結合する方法

下記 のイ図 の方法です。

隣地境界線をそのまま道路中心線まで延長し、道路中心線と直接結合します。

この場合、延焼線は直線的に結合されます。

②道路に直角な「みなし境界線」を介して結合する方法

下記 の ロ図 の方法です。

隣地境界線と道路中心線を直接結合するのではなく、道路に直角なライン、つまり みなし境界線 を介して結合します。

JG_敷地延焼線 ①隣地境界線を道路中心線まで延長して結合する方法(イ図)
JG_敷地延焼線 ②道路に直角な「みなし境界線」を介して結合する方法(ロ図)

⚠️ 結合方法による違い

2つの結合方法では、延焼線の出力結果が異なります。

① 隣地境界線を延長して結合する方法

  • 延焼線は直線で結合される
  • 安全側の結果になりやすい

② みなし境界線を介して結合する方法

  • 延焼線は出隅を中心とした円弧で結合される
  • 道路形状に応じた処理が必要になる

なお、「JG_敷地延焼線」 では、どちらの方法でも描画できます。

ただし、安全側で考える場合は、①の方法を選択して下さい。

結合方法1 青印部分の拡大図(ハ図)

結合方法2 青印部分の拡大図(ニ図)

🛣️ 異幅道路に接する場合の延焼線

次に、敷地が異幅道路に接する場合の延焼線について整理します。

異幅道路では、道路幅員が途中で変わるため、道路中心線の位置や延焼線の円弧位置が、道路形状によって変わります

ここでは、次の2つのケースがあります。

A図:敷地の反対側道路境界線が「かぎ型」になっている場合

B図:敷地境界線側が「かぎ型」になっている場合

A図:反対側道路境界線が「かぎ型」の場合

A図では、敷地の反対側にある道路境界線が、途中で折れた かぎ型 になっています。

この場合、道路中心線は、反対側の道路境界線がズレた位置に合わせて設定されます。

そのため、延焼線の円弧位置も、その道路中心線の位置に応じて決まります。

JG_敷地延焼線 異幅道路の解法1(A図)
✍️ A図での入力上の注意点

「JG_敷地延焼線」 でA図のような道路を入力する場合は、反対側道路境界線の入力方法に注意が必要です。

特に、反対側の道路境界線がズレている部分については、直交する線分の入力が必要になります。

具体的には、以下の順で入力が必要です。

  • 反対側道路境界線①
  • ズレた部分の直交線分②
  • 反対側道路境界線③

B図:敷地境界線側が「かぎ型」の場合

B図では、敷地境界線側が かぎ型 になっています。

この場合、道路中心線は、実際の道路反対側境界線との中心ではなく、みなし境界線、つまりみなし道路との中心線 として扱われます。

その結果、A図とは延焼線の円弧位置が異なります。

JG_敷地延焼線 異幅道路の解法2(B図)

✍️ B図での入力上の注意点

B図の場合は、みなし道路境界線 を設定する必要があります。

「JG_敷地延焼線」で入力する際には、このみなし道路境界線を含めて反対側の道路境界線を3カ所入力します。

具体的には、以下の順で入力が必要です。

  • 反対側道路境界線①
  • みなし道路境界線(反対側道路境界線)②
  • 反対側道路境界線③

🔄 L型道路に接する場合の延焼線

L型道路に接する場合も、B図と同様に、みなし道路境界線 の入力が必要になります。

これはC図に該当するケースです。

L型道路では、道路が直角方向に折れるため、通常の反対側道路境界線だけでは延焼線を正しく作成できません。

「JG_敷地延焼線」を利用する際は、あらかじめJw_CADで円弧を描き幅員と同じ距離の位置に下線としてみなし道路境界線を記載しておく必要があります。また入力画面では反対側の道路境界線を3カ所入力する必要があります。

JG_敷地延焼線 L型道路の解法(C図)

ここで注意することが一つあります。みなし境界線を想定する以上は、冒頭に述べた隣地境界線と道路中心線の結合についても、②「道路に直角なライン(=みなし境界線)を介して結合する」方法をとらないとD図のようにNGになります。

JG_敷地延焼線 L型道路の解法 結合方法①(隣地境界線を道路中心線まで延長)を選択した場合(D図)

🚧 行き止まり道路が直交する場合の延焼線

次に、行き止まり道路が敷地に対して直交する場合です。

このケースでも、みなし道路境界線の入力が必要になる場合があります。

E図のように、行き止まり道路が直交している場合には、円弧どうしが連結した特徴的な延焼線が現れます。

✍️ 行き止まり道路が直交する場合の入力方法

このケースでは、反対側道路境界線の入力は1カ所のみになります。

ただしこの場合も結合方法は②「道路に直角なライン(=みなし境界線)を介して結合する」を採用する必要があります。

この方法を選択することで、行き止まり道路特有の円弧が連続する延焼線を作成できます。

JG_敷地延焼線 敷地に直交する行き止まり道路の解法(E図)

🏘️ 行き止まり道路が敷地に入り込む場合

次は、行き止まり道路が敷地に入り込んでいる場合です。

これはF図に該当するケースです。

このような形状では、多くの場合、2階以上の延焼ライン が半円を伴って現れます。

道路が敷地内へ入り込むことで、通常の道路境界線だけでは延焼線の形状を整理しにくくなるため、みなし道路境界線を含めた入力が必要になります。

📐 行き止まり道路が敷地に入り込む場合の入力方法

このケースでは、反対側道路境界線を、みなし道路境界線を含めて3カ所入力する必要があります。

具体的には、以下の順で入力が必要です。(順序は重要です。)

  • みなし道路境界線
  • 対岸の敷地境界線に一致する道路境界線
  • もう一方の対岸の敷地境界線に一致する道路境界線
    因みに、みなし道路境界線以外の道路境界線は、対岸の敷地境界線と一致します。

JG_敷地延焼線 敷地に入り込んだ行き止まり道路の解法(F図)

↔️ 敷地に平行な行き止まり道路に接する場合

最後に、敷地に平行な行き止まり道路に接する場合です。

これはG図に該当します。

この場合、反対側道路境界線の入力は1カ所のみです。

延焼線の円弧の中心は、道路中心線の端部ではなく、隣地境界線と道路中心線をつなぐ「みなし境界線」と隣地境界線の交点になります。

JG_敷地延焼線 敷地に平行な行き止まり道路の解法(G図)

📚 ケース別の整理

特殊な道路に接する場合の入力と注意点を整理すると、次のようになります。

ケース主な特徴反対側道路境界線の入力注意点
異幅道路 A図反対側道路境界線が「かぎ型」3カ所ズレ部分の直交線分入力が必要
異幅道路 B図敷地境界線側が「かぎ型」3カ所みなし道路境界線が必要
L型道路 C図道路がL型に折れる3カ所事前に円弧や下線の補助作図が必要
D図(NGとなる場合)結合方法②を選択する
行き止まり道路 E図道路が敷地に直交1カ所結合方法②を選択する
行き止まり道路 F図道路が敷地に入り込む3カ所入力順序が特に重要
行き止まり道路 G図敷地に平行1カ所特に無し

✅ 操作上のポイント

「JG_敷地延焼線」で特殊な道路形状を扱う場合は、次の点を意識すると整理しやすくなります。

  • 道路中心線がどこに設定されるかを確認する
  • みなし道路境界線が必要かどうかを判断する
  • みなし境界線を使う場合は、結合方法②を選択する
  • 反対側道路境界線の入力数をケースごとに確認する
  • 異幅道路やL型道路では、必要に応じて補助線や円弧を事前に作図する
  • 行き止まり道路では、円弧の中心位置を誤解しないようにする

🌟 まとめ

敷地の延焼線は、通常の直線道路に接する場合であれば比較的単純に作成できます

しかし、異幅道路、L型道路、行き止まり道路などに接する場合は、道路中心線やみなし境界線の考え方によって、延焼ラインの形状が変わります

特に重要なのは、次の点です。

  • 隣地境界線と道路中心線の結合方法には2通りある
  • みなし道路境界線を使う場合は、結合方法もみなし境界線を介する方法にする
  • 特殊な道路形状では、反対側道路境界線の入力数や入力位置に注意する
  • 行き止まり道路では、延焼線の円弧中心が道路中心線端部とは限らない

「JG_敷地延焼線」 を使用する際は、道路形状ごとの特徴を確認しながら、必要に応じてみなし境界線や補助作図を行うことで、より適切な延焼ラインを作成できます。

注意:特定行政庁や確認審査機関への照会は必ず行って下さい。