JG_採光補正(AutoCAD版)
AutoCAD 2027 プラグイン
AutoCADで出来る採光補正係数の算定と補正係数目盛の作図
JG_採光補正(AutoCAD版)— 断面図で 2 点を指示するだけで、採光勾配・補正係数の算定式・補正係数目盛りを記載します。
採光補正係数は、窓の中心から隣地境界線までの水平距離 d と、窓の中心から直上の建築物の部分(軒先やパラペット天端)までの垂直距離 h の比で決まります。d/h × α − β——式そのものは簡単です。手間なのは、断面図の上で d と h を拾い、用途地域ごとの α・β を当てはめ、上限や下限の扱いまで見る作業を、窓の数だけ繰り返すことです。
JG_採光補正は、断面図で窓上部(パラペット天端や軒先)と窓の中心の 2 点を指示し、隣地境界線(又は敷地内の他の建築物)からの水平距離と用途地域を入れるだけで、採光勾配・採光補正係数の算定式・補正係数目盛りをまとめて図面へ記載します。
そして補正係数目盛りは、水平距離と用途地域だけで決まります。開口部の位置が決まっていない段階でも引けるので、断面図に目盛だけ先に入れておき、あとから窓を当てて読む——という使い方ができます。
| 取り込んだ AutoCAD の機能 | JG_採光補正での活かし方 |
|---|---|
| コマンド | SAIKOU の 1 つ。メニューを開かずに打てる |
| オブジェクトスナップ | 窓上部と窓中心を端点・交点で正確に拾えます。1 点目(窓上部)がそのまま作図の基準点になります |
| 線種(HIDDEN) | 窓の中心を示す線に使用。図面に無ければ acad.lin から自動で読み込む |
| 文字スタイル | JG_SAIKOU(MS ゴシック・幅係数 1.0)を自動で用意。算定式の × や = が化けません |
| 画層と実寸作図 | 線・円・文字を現在の画層へ実寸で作図。文字の高さは図面の実寸(mm)で指定します |
指示するのは 2 点だけ
窓上部と窓中心(高さ)をクリックするだけです。窓中心は高さしか読み取らないので、水平方向は任意の点で構いません。
窓が決まる前でも目盛が引ける
補正係数目盛りは水平距離と用途地域だけで決まります。先に目盛を入れておけば、窓の高さが決まった時点で図面から読み取れます。
算定式ごと図面に残る
d/h×6-1.4=… の形で記載します。上限 3 や下限 1 で頭打ちになったときは、採用値と算定値の両方が残ります。
入力画面は Jw_cad 外部変形版と同じものが開きます。覚え直しは要りません。もちろん、外部変形版もこれまでどおりお使いいただけます。
用途地域が変わると、目盛の間隔も段数も変わります
補正係数目盛りは、採光補正係数が 3.0 / 2.5 / … / 0.0 になる窓中心の高さを、窓上部からの垂直距離として刻んだものです。h = d × α ÷ (係数 + β) で決まるので、水平距離 d と用途地域(α・β)が決まれば引けます。
| 用途地域 | α | β | 1 未満を 1 とできる水平距離 |
|---|---|---|---|
| 住居系地域 | 6 | 1.4 | 7,000 mm 以上 |
| 工業系地域 | 8 | 1.0 | 5,000 mm 以上 |
| 商業系地域 | 10 | 1.0 | 4,000 mm 以上 |
下のデモで用途地域を切り替えてみてください。目盛の刻みが動きます。さらに水平距離を広げていくと、ある値を境に1.0 未満の目盛が 1.0 の位置に重なり、0.0〜3.0 の 10 目盛が 1.0〜3.0 の 5 目盛に変わります。その境目が用途地域ごとに違う——というのが、この図のいちばんの読みどころです。
窓の高さ h は 2m から 20m まで動かせます。h は窓の中心から直上の軒先やパラペット天端までの距離ですから、上に階が積み上がるほど大きくなり、そのぶん採光補正係数は小さくなります。デモでも、h を伸ばすと建物の壁が高くなり、採光斜線が寝ていきます。
指示する 2 点
水平距離
用途地域
描画する側
記載する内容
記載仕様
図面に記載される文字(そのままの形)
補正係数目盛の位置(窓上部からの垂直距離 mm)
用途地域を工業系・商業系に変えると、目盛が下へ長く伸びます。α が大きく β が小さいほど、同じ補正係数を得るのに窓を深い位置まで許せる——ということが、目盛の長さとしてそのまま図に出ます。商業系で 0.0 の目盛は、窓上部から水平距離の 10 倍の位置です。
水平距離のスライダーを右へ動かしていくと、商業系は 4,000mm、工業系は 5,000mm、住居系は 7,000mm を超えたところで目盛が 5 段に切り替わります。1.0 未満の目盛が 1.0 の位置に重なるためです。「道に面する場合」にチェックを入れると、距離に関わらず 5 段になります。
「目盛を表示しない」にチェックを入れると、水平距離の寸法・採光斜線・垂直距離・算定式だけが作図されます。逆に「係数を算定しない」にチェックを入れると、水平距離の寸法と目盛だけになります。開口部が決まっていない断面図には、目盛だけを入れておくのが便利です。
両方にチェックを入れると水平距離の寸法だけになるので、そのときは注意のメッセージが出ます。
算定値が 3 を超えたときは 採光補正係数:3 (d/h×6-1.4=7.000) のように、採用した 3 と、算定した 7.000 が並んで記載されます。1 未満を 1 とできる場合(上の表の距離以上、又は道に面する場合)の下限も同じ形です。図面を見た人が、どこで頭打ちになったのかを追えます。
位置関係が分かるように、デモでは断面図(軒・外壁・窓・地盤・隣地境界線)をグレーの細線で添えています。これはお手元の図面に描いてあるもので、ソフトは作図しません。ソフトが描くのは、色の付いた寸法・目盛・採光斜線・算定式です。窓の高さは、指示した 2 点から見当をつけて描いています。
寸法の丸・目盛の刻み・文字の位置は、本体アプリの計算式をそのまま移して描いています。色はデモの見やすさのために分けてあります。実際は現在の画層の色で作図され、線種は窓の中心の線だけが HIDDEN になります。
コマンドは 2 つ
ふだん使うのは SAIKOU の 1 つだけです。もう 1 つは本体アプリの場所を指定し直すためのもので、通常は使いません。
断面図に、採光勾配・採光補正係数(算定式)・補正係数目盛りを記載します。
- コマンドラインで
SAIKOUと入力します - 「窓上部のポイントを指示」——窓の上部にあるパラペット天端や軒先など、建築物の部位をクリックします。ここが作図の基準点になります
- 「窓中心(高さ)を指示」——窓の中心点をクリックします。高さだけを読み取るので、水平方向は任意の点で構いません
- 設定入力フォームが開きます。水平距離(mm)・用途地域・描画する側を入れ、道路に面する場合は「道に面する場合」にチェックを入れます
- 目盛を描かないときは「目盛を表示しない」、採光勾配と補正係数を出さないときは「係数を算定しない」にチェックを入れます
- 文字の高さ(図面の実寸 mm)を入れて「決定」。AutoCAD の画面に作図され、コマンドラインに
[SAIKOU] 作成 N 個と表示されます
コマンドラインには、読み取った 2 点の座標と 窓の高さ h=5,000 mm も表示されます。指示した点が思っていた位置かどうか、その場で確かめられます。
本体アプリ(「JG_採光補正」フォルダーの中の WindowsAppAutoCADSaikoSyasen.exe)の場所を指定し直します。フォルダーを移動したときや、同じ名前のフォルダーがパソコンの中に複数あるときに使います。
順番を取り違えると「窓の位置と窓上部の位置が逆転しています」と表示され、その場でもう一度 2 点を聞き直します。本体アプリを起動してから戻されるより早いので、この判定はプラグイン側で行っています。
AutoCAD 版は実寸で作図するため、Jw_cad 版の「文字種」「線(色)番号」「レイヤグループ」の指定はありません。代わりに文字の高さを mm で入れてください。紙に出したときの大きさ × 縮尺で決めます(1/200 で 2.5mm に見せたいなら 500)。図形は現在の画層にそのまま作図されます。
入力画面は本体アプリのウィンドウとして開きます。見当たらないときはタスクバーから「設定入力」を選んで前に出してください。入力が終わるまで、AutoCAD 側の操作はできません。
作図されるもの
| 水平距離 | 寸法線・両端の丸・数値 d=3,000。常に作図されます。 |
|---|---|
| 補正係数目盛 | 縦線・横線・数値(3.0〜0.0 の 10 段、又は 3.0〜1.0 の 5 段)。「目盛を表示しない」で省けます。 |
| 採光斜線ほか | 採光斜線・基準点の丸・垂直距離 h=5,000・窓の中心を示す線と文字・算定式。「係数を算定しない」で省けます。 |
| 線種 | 窓の中心の線だけ HIDDEN。図面に無い場合は acad.lin から自動で読み込みます。それ以外は現在の線種のままです。 |
| 文字スタイル | JG_SAIKOU(MS ゴシック・幅係数 1.0)を自動で作って使います。 |
| 画層・線色 | 現在の設定のままです。採光図用の画層を現在の画層にしてから実行すると、あとの整理が楽になります。 |
導入のしかた
- ZIP ファイルを解凍するどこに解凍しても構いません。
- AutoCAD を終了する起動したままだと入れ替えできません。
- 「インストール.bat」をダブルクリックする管理者権限は不要です。
%APPDATA%\Autodesk\ApplicationPlugins\Saiko.bundleへコピーされます。 - 「JG_採光補正」フォルダーを好きな場所に置くデスクトップなど任意の場所で構いません。場所はプラグインが自動で探します。見つからないときだけ聞いてきます。
- AutoCAD 2027 を起動するこれで
SAIKOUが使えます。
中の ini ファイルと同じ場所でないと動きません。中のファイルだけを取り出さないでください。
Jw_cad 版との併用について
同じフォルダーで両方使えます。Jw_cad の外部変形は 採光補正.BAT、AutoCAD は SAIKOU。フォルダーを分ける必要はありません。設定入力フォームも同じものなので、どちらから使っても操作は変わりません。
AutoCAD 版の入力内容は %APPDATA%\Things\Keisoku\ に、Jw_cad 版は「JG_採光補正」フォルダー内の DATA.ini に保存されます。互いに影響しません。
動作環境
| OS | Windows 10 / 11(64bit) |
|---|---|
| CAD | AutoCAD 2027(Jw_cad 外部変形版も同梱) |
| 開発言語 | Visual Basic .NET |
| ソフト種別 | 無償 |
| バージョン | Ver.1.0(本体アプリ Ver.1.4) |
AutoCAD 2027 の .NET 版数(.NET 10)に合わせて作成しているため、2026 以前では読み込まれません(インストールしても無害です)。AutoCAD LT では動作しません。
うまく動かないとき
| 「窓の位置と窓上部の位置が逆転しています」と出る | 窓上部 → 窓中心 の順に指示してください。そのまま続けて 2 点を指示し直せます。 |
|---|---|
| 「AutoCAD 対応版の本体アプリが見つかりません」と出る | 同じ名前のフォルダーがパソコンの中に複数あると、古いものを掴んでいることがあります。SAIKOUPATH で、今回配布した「JG_採光補正」フォルダーの中の WindowsAppAutoCADSaikoSyasen.exe(Ver 1.4 以上)を指定してください。 |
| 設定入力フォームが見当たらない | AutoCAD の裏に隠れています。タスクバーから「設定入力」を選んで前に出してください。 |
| 窓の中心の線が実線に見える | 新規図面は線種尺度(LTSCALE)が 1 のままなので、mm 単位の図面では破線の刻みが細かすぎて実線に見えます。図面の縮尺に合わせて LTSCALE を大きくしてください。 |
| コマンドが見つからない | AutoCAD 2027 以外では読み込まれません。版数をご確認ください。インストール.bat は AutoCAD を終了した状態で実行してください。 |
アンインストール
「アンインストール.bat」をダブルクリックしてください。プラグインを取り除くだけなので、図面や本体アプリには影響しません。「JG_採光補正」フォルダーは消えないので、Jw_cad 版はそのまま使えます。
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