JG_延焼線緩和(AutoCAD版)
AutoCAD 2027 プラグイン
AutoCADで出来る延焼ラインの作図と告示緩和
JG_延焼線緩和(AutoCAD版)— 建物の外壁ラインを選ぶだけで、中心線・延焼ライン・告示197号の緩和計算までを作図。
延焼のおそれのある部分は、隣地境界線・道路中心線、そして同一敷地内に 2 以上の建築物があるときの外壁間の中心線から、1 階は 3m、2 階以上は 5m の範囲です。令和 2 年国交告第 197 号によって、外壁面が中心線に対して角度をもつ場合には、この距離を縮められるようになりました。
式そのものは難しくありません。手間がかかるのは中心線を引くところです。2 棟の外壁が入り組んでいるほど、どこが外壁間の中心線になるのかを求めるのに時間がかかります。中心線が引けなければ、角度も離隔距離も決まりません。
JG_延焼線緩和は、2 棟の建物の外壁ラインを選ぶだけで、中心線・中心線ごとの角度・緩和後の距離・延焼ラインをまとめて作図します。建物どうしの延焼と、隣地境界線等からの延焼を、それぞれ独立したコマンドとして持っています。
| 取り込んだ AutoCAD の機能 | JG_延焼線緩和での活かし方 |
|---|---|
| コマンド | ENSYOUB ENSYOUR の 2 つ。メニューを開かずに打てる |
| ポリライン(LWPOLYLINE) | 建物を閉じたポリラインで描いてあれば、そのまま建物の形として取り込みます。端部をクリックする手順を省略できます |
| 線分(LINE)との混在 | 建物はポリライン、隣地境界線は線分——という混ざり方でも、まとめて選択して渡せます |
| 線種(CENTER) | 外壁間の中心線に使用。図面に無ければ acad.lin から自動で読み込む |
| 画層と文字スタイル | 線・円・円弧・文字を現在の画層へ実寸で作図。文字スタイルは自動で用意される |
中心線を自分で引かなくてよい
2 棟の外壁ラインから、外壁間の中心線をソフトが求めます。折れた中心線にも、区間ごとに角度と緩和距離が付きます。
緩和は式ごと図面に残る
告示の式に角度と答えを入れた形で図面へ記載します。どの角度から何 m になったのかが、図面を見れば分かります。
高さ方向の緩和にも対応
他の建物(低い側)の高さと最小距離 S から、延焼のおそれのある部分から除かれる高さを算出し、計算式ごと記載します。
入力画面は Jw_cad 外部変形版と同じものが開きます。覚え直しは要りません。もちろん、外部変形版もこれまでどおりお使いいただけます。
角度がつくほど、延焼ラインは中心線に寄ります
同一敷地内に建つ 2 棟です。黄色が外壁間の中心線——2 棟の外壁から等距離にある線で、ここが延焼ラインの基準になります。中心線から 1 階は 3m(水色)、2 階以上は 5m(橙)の位置に延焼ラインが入ります。
告示 197 号の緩和は、外壁面と中心線のなす角度 θ で決まります。平行(θ=0°)なら 3m・5m のままですが、角度がつくほど短くなります。
| 1 階 | d = max{ 2.5, 3 × (1 - 0.000068 × θ²) } 下限 2.5m(θ ≒ 49.5° で到達) |
|---|---|
| 2 階以上 | d = max{ 4, 5 × (1 - 0.000068 × θ²) } 下限 4m(θ ≒ 54.2° で到達) |
建物の向き
2棟の離れ
R2 国交告 197号 緩和
高さ方向の緩和
注釈の記載設定
デモの表示
図面に記載される緩和計算式(建物2側)
縮む量は、1 階で最大 0.5m、2 階以上で最大 1.0m です。数字だけ見れば小さいのですが、この 0.5m で開口部が延焼ラインの外に出れば、その窓に防火設備は要りません。外壁面がわずかに振れているだけの計画でも、確かめる価値があります。
緩和を適用する建物は建物ごとに選べます(両方でも片方でも構いません)。デモの「建物1に適用する」を外すと、左側だけが 3m・5m のままになります。中心線をはさんで左右で距離が違う——これが実際の図面でもよく現れる形です。
水平距離が緩和距離 d の内側にあっても、地盤面から一定の高さより上は延焼のおそれのある部分から除かれます。その高さは他の建物(低い側)の高さと、中心線までの最小距離 S、そして緩和距離 d から求めます。デモの「他の建物(低い側)の高さ」を動かすと、記載される計算式と答えが変わります。
S が d を超えると、そもそもその位置は延焼の範囲外です。この場合は「N/A(延焼範囲外)」と記載されます(デモで「2棟の離れ」を広げると再現できます)。
緩和計算式を記載する設定にしておくと、高さ方向の緩和計算に使用する最小距離(S)も自動的に描画されます。計算式は、中心線と外壁面がなす角度のうち最小となる位置に記載されます。
実際の中心線は 2 棟の形に沿って折れ、区間ごとに角度と緩和距離が決まります。延焼ラインの端部は、出隅部を円弧にするかどうかを描画設定で選べます。
コマンドは 2 つ
Jw_cad 版のメインメニューにある「建物延焼線」「隣地延焼線」の 2 つのボタンが、そのまま 2 つのコマンドになっています。どちらも図形を選んでから入力画面が開く流れは同じで、何を選ぶかと入力する対象が違います。
同一敷地内の 2 棟について、外壁間の中心線から延焼ラインを引きます。
- あらかじめ、2 棟の外壁ラインを作図しておきます。線分(LINE)とポリライン(LWPOLYLINE)が使えます
ENSYOUBと入力し、2 棟の外壁ラインをすべて選択して Enter(右クリックでも可)- 本体アプリが起動します。「2棟の建物を入力」で、建物1の外壁ラインの端部を時計回りにクリックして「入力」。閉じたポリラインを選んでいれば「閉じた領域が見つかりました」と出るので、クリックは不要です(形を変えるときは「建物削除」、割り当てを変えるときは「建物を入替」)
- 同じように建物2を入力します
- 「描画設定」——補助線・中心線角度・離隔距離・緩和計算式の記載、出隅部の形状、告示緩和を適用する建物(両方も可)、文字の高さを決めます
- 両方の建物に緩和を適用したときは、「高さ方向の緩和」でどちらの建物を緩和するかを選びます
- 「他の建物高さ設定」で低い側の建物の高さを入れて OK。AutoCAD の画面に延焼線が出力され、コマンドラインに
[ENSYOUB] 作成 N 個と表示されます
高さ方向の緩和を行わない場合は、「高さの緩和を行わない」にチェックを入れてください。
1 棟の建物と、隣地境界線・道路中心線からの延焼ラインを引きます。
コマンドを打ってから「1棟の建物の外壁ラインと隣地境界線等」をすべて選択して Enter——ここまでは ENSYOUB と同じです。入力画面では先に建物を時計回りに入力し、続けて隣地境界線等を時計回りに入力します。
境界線は 2 点以上(線分 1 本)から入力できます。最初の点と最後の点を重ねても構いません。建物のように 4 点必要ということはありません。
描画設定では、離隔距離と緩和計算式の記載、告示緩和の適用(既定でオン)、文字の高さを決めます。「完了」で作図されます。
本体アプリ(「JG_延焼線緩和」フォルダー)の場所を指定し直します。フォルダーを移動したときや、複数の場所に置いてあるときに使います。
「補助線を記載」「中心線角度を記載」「離隔距離を記載」にチェックを入れなかった場合でも、告示緩和を適用して「緩和計算式を記載」にチェックを入れていれば、緩和計算に必要な補助線・中心線角度・離隔距離は記載されます。計算の根拠が図面から抜け落ちないようになっています。
形状が複雑な場合、中心線の位置を適切に描画できないことがあります。その場合は建物1と建物2の割り当てを入れ替えると改善することがあります。同じく、描画設定の「形状が複雑な場合に使用するパラメーター」(中心線の交点を詳細に算出する/連続しない中心線がある場合に全て算出する)にチェックを入れると描けることがあります。通常はチェックを入れません。
図形は自動で閉じるので、最初の点を最後にもう一度クリックする必要はありません。ただし 4 点以上クリックしないとエラーになります(三角形は入力できません)。建物の裏側も、できる限り入力してください。
円・円弧・スプラインなどは選択対象になりません。ポリラインは辺ごとの線分として扱われます。円弧を含むポリライン(ふくらみのある辺)は、頂点を直線で結んだ形として扱われ、その旨がコマンドラインに表示されます。
ActiveX 版と違ってメインメニューは出ません。コマンドがメニューのボタン 1 つ分に対応しており、コマンドを打つ → 図形を選択して Enter → 本体アプリが起動という順になります。取り出せる辺が 4 本に満たないときは「図形が足りません」と表示されます。
作図の位置を尋ねることはありません。すべて建物の実座標に作図します。
AutoCAD 版は実寸で作図するため、Jw_cad 版の「文字種」「線(色)番号」「レイヤグループ」の指定はありません。代わりに文字の高さを mm で入れてください(S.1/200 で 500mm が標準です)。初回は空欄なので必ず入力してください。
作図されるもの
| 図形 | 線・円・円弧・文字を、現在の画層へ実寸で作図します。出隅部を円弧にするかどうかは描画設定で選べます。 |
|---|---|
| 中心線 | 線種 CENTER で作図します。図面に無い場合は acad.lin から自動で読み込みます。 |
| 文字スタイル | JG_ENSHO(MS ゴシック・幅係数 1.0)を自動で作って使います。SHX フォントでは「°」「√」などが正しく出ないためです。 |
| 画層・線色 | 現在の設定のままです。延焼線用の画層を現在の画層にしてから実行すると、あとの整理が楽になります。 |
| 文字の高さ | 描画設定で入力した値(図面の実寸 mm)です。 |
導入のしかた
- ZIP ファイルを解凍するどこに解凍しても構いません。
- AutoCAD を終了する起動したままだと入れ替えできません。
- 「インストール.bat」をダブルクリックする管理者権限は不要です。
%APPDATA%\Autodesk\ApplicationPlugins\Ensho.bundleへコピーされます。 - 「JG_延焼線緩和」フォルダーを好きな場所に置くデスクトップなど任意の場所で構いません。場所はプラグインが自動で探します。見つからないときだけ聞いてきます。
- AutoCAD 2027 を起動するこれで
ENSYOUBが使えます。
中の ini ファイルと同じ場所でないと動きません。中のファイルだけを取り出さないでください。
Jw_cad 版との併用について
同じフォルダーで両方使えます。Jw_cad の外部変形は 延焼線緩和.BAT、AutoCAD は ENSYOUB / ENSYOUR。AutoCAD 用はフォルダー直下の EXE を、Jw_cad 用はサブフォルダー(BldgEnsho / RinchiEnsho)の EXE を使います。混在しても問題ありません。
AutoCAD 版の記載設定や直前の入力データは %APPDATA%\Things\Sakuzu\ に、Jw_cad 版は「JG_延焼線緩和」フォルダー内に保存されます。互いに影響しません。
動作環境
| OS | Windows 10 / 11(64bit) |
|---|---|
| CAD | AutoCAD 2027(Jw_cad 外部変形版も同梱) |
| 開発言語 | Visual Basic .NET |
| ソフト種別 | 無償 |
| バージョン | Ver.2.6 |
AutoCAD 2027 の .NET 版数(.NET 10)に合わせて作成しているため、2026 以前では読み込まれません(インストールしても無害です)。AutoCAD LT では動作しません。
うまく動かないとき
| 「作図データが出力されませんでした」と出る | 本体アプリで「中止」を押した場合に出ます。古い版の本体アプリを掴んでいる場合にも出ます。コマンド実行時にコマンドラインへ表示される「本体アプリ: …(Ver …)」を確認し、古ければ ENSYOUPATH で新しい「JG_延焼線緩和」フォルダーの中の WindowsAppAutoCADSakuzu.exe を選び直してください(AutoCAD 対応版は Ver 2.6 以上です)。 |
|---|---|
| 「図形が足りません」と出る | 選択した図形から取り出せる辺が 4 本に満たない場合に出ます。外壁ラインを選び直してください。 |
| 図形を選択できない | 選択できるのは線分(LINE)とポリライン(LWPOLYLINE)だけです。 |
| コマンドが見つからない | AutoCAD 2027 以外では読み込まれません。版数をご確認ください。インストール.bat は AutoCAD を終了した状態で実行してください。 |
アンインストール
「アンインストール.bat」をダブルクリックしてください。プラグインを取り除くだけなので、図面や本体アプリには影響しません。「JG_延焼線緩和」フォルダーは消えないので、Jw_cad 版はそのまま使えます。
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