敷地定規を作成する

今回は、「JG_壁面後退線」 を活用して、計画初期に便利な 敷地定規 を作成してみます。

建物の配置や規模を検討する際、敷地境界線からの離隔距離が補助線として表示されていると、計画が進めやすくなります。
この補助線を、敷地境界線から敷地の中央に向かって等間隔に連続描画したものが、ここでいう 敷地定規 です。

敷地の中に方眼紙を重ねるような感覚で、建物配置や通路幅、空地の検討に活用できます。

敷地定規(JG_壁面後退線 実行画面)

連続描画機能を利用する

「JG_壁面後退線」には、一定の間隔で後退線を作成する 連続描画機能 があります。

敷地定規は、この連続描画機能を利用して作成します。
後退距離、つまり線と線の間隔に、任意のモジュールを入力します。

例えば、次のような間隔を設定できます。

  • 1m間隔
  • 2m間隔
  • 910mmや1,820mmなどの設計モジュール
  • 通路幅や空地幅の検討に合わせた任意寸法

これにより、敷地境界線から内側へ、一定間隔の後退線を連続して描画できます。

敷地定規は、作図用のレイヤーとは別のレイヤーに、補助線色や補助線種で作成しておくと便利です。

JG_壁面後退線 不整型地の敷地定規とその活用

不整形敷地で特に有効

敷地が整形であれば、建物配置や離隔距離の把握は比較的簡単です。
しかし、不整形な敷地では、境界線からの距離感や有効に使える範囲が分かりにくくなります。

特に、次のような検討では、敷地定規があると便利です。

  • 斜線制限を考慮した建物後退の検討
  • 窓先空地の確保
  • 避難通路や有効幅員の確認
  • 建物ボリュームの大まかな配置検討
  • 緑地や空地の配置バランスの確認

計画の初期段階で敷地定規を表示しておくことで、敷地条件を視覚的に把握しやすくなり、配置計画をスムーズに進めることができます。。

通常のオフセットとの違い

Jw_CADには、線を指定距離だけ移動するオフセット機能があります。
ただし、敷地のように閉じた領域を内側へ連続してオフセットしていくと、敷地形状によっては、途中で線がねじれたり、反転した領域が発生することがあります。

特に、凹凸のある敷地や不整形な敷地では、このような反転部分が生じやすくなります。

図1 は、通常のオフセット処理によって、線がねじれて反転した例です。

一方、「JG_壁面後退線」では、プログラム側でこのような反転部分を自動的に整理・削除します。
そのため、内側へ連続して後退線を作成しても、不要な交差や反転の少ない、整然とした敷地定規を作成することができます。

図2 は、「JG_壁面後退線」によって作成した敷地定規の例です。

Jw_CADのオフセットコマンドを使用した例(図1)

JG_壁面後退線のオフセットによる敷地定規(図2)

後退率を指定した範囲表示

「JG_壁面後退線」には、距離を指定して後退線を描画する機能のほかに、後退率を指定して後退範囲を描画する機能 もあります。

後退率とは、敷地面積に対して、外周から後退する部分がどの程度の割合になるかを示すものです。

例えば、後退率を20%に設定すると、敷地面積のうち外周側の20%に相当する範囲を後退部分として表示できます。

図3 は、後退率20%の範囲を赤線で描画した例です。

この機能を利用すると、例えば緑地率20%に合わせて後退範囲を表示し、緑地として必要なボリュームを大まかに把握することができます。

JG_壁面後退線 敷地定規に後退率20%を重ねたもの(図3)

敷地条件や規制ラインとの組み合わせ

敷地定規は、単独で使うだけでなく、他の条件や規制ラインと重ねて表示することで、さらに効果的に活用できます。

例えば、次のような情報と組み合わせることができます。

  • 壁面後退線
  • 道路斜線や隣地斜線を考慮した後退ライン
  • 窓先空地
  • 避難通路
  • 緑地範囲
  • 建蔽率に応じた建築可能面積の目安
  • 駐車場やアプローチ計画

このように、「JG_壁面後退線」で作成した敷地定規に、敷地の諸条件や規制ラインを重ねることで、計画初期の検討をより分かりやすく進めることができます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です