敷地延焼線を深掘りする
今回は「JG_敷地延焼線」に関連して、敷地の延焼線(延焼の恐れのある部分)について深掘りしてみたいと思います。
主な内容は、敷地が異幅道路や行き止まり道路などの特殊な道路に接する場合に延焼ラインがどのような形態をとるのか。ということで、どちらかというとイレギュラーなケースを取り扱います。
さて下の図は、「JG_日影測定線」のスレッドで一度お話しした隣地境界線と道路中心線の結合方法についてです。延焼線の場合も測定線と同じように隣地境界線を道路中心線まで延長して結合する方法(イ図)と、道路に垂直な「みなし境界線」を介して結合する方法(ロ図)があり、どちらを選択するかによって出力結果が若干異なります。(「JG_敷地延焼線」では描画設定画面で設定します。)
①隣地境界線を延長して結合する(イ図)
②道路に直角なラインを介して結合する(ロ図)
延焼線は、①(イ図)は直線での結合になりますが、②(ロ図)はみなし境界線と隣地境界線の交点(出隅)が中心の円弧でつながります。安全側は①です。
次の図は、敷地が異幅道路に接する場合の延焼線です。A図は敷地の反対側の道路境界線が「かぎ型」になっているのに対し、B図は敷地境界線が「かぎ型」になっています。道路中心線の位置が、A図では境界線がズレた位置にきますが、B図では設定したみなし境界線(みなし道路)の中心の位置にきます。その結果、延焼線の円弧の位置が異なっています。
なお「JG_敷地延焼線」での道路の入力方法もA図とB図では異なります。A図で注意するのは、反対側の境界線がズレている部分の直交線分の入力(反対側道路入力②)が必要になること。またB図では、みなし道路境界線を設定する必要があることです。この「みなし道路境界線」を含めて反対側の道路境界線を3カ所入力する必要があります。
みなし道路境界線の入力が必要なのは次のL型道路に接する場合も同じです(C図)。
(「JG_敷地延焼線」を利用する際は、あらかじめJw_CADで円弧を描き幅員と同じ距離の位置に下線を記載しておく必要があります。また入力画面では反対側の道路境界線を3カ所入力する必要があります。)
ここで注意することが一つあります。みなし境界線を想定する以上は、冒頭に述べた隣地境界線と道路中心線の結合についても、②「道路に直角なライン(=みなし境界線)を介して結合する」方法をとらないとNGになります(D図)。
もう一つ「みなし道路境界線」の入力が必要になるケースがあります。次の行き止まり道路が直交する場合です。この場合、E図のように円弧どうしが連結した特徴的な延焼線が現れます。反対側の道路入力は1カ所のみになります。ただしこの場合も結合方法は②を採用して下さい(以降同じです)。
次のF図は行き止まり道路が敷地に入り込んだ場合です。多くの場合は2階以上の延焼ラインが半円を伴って現れます。またこの場合は反対側の道路境界線を「みなし道路境界線」を含めて3カ所入力する必要があります。みなし道路境界線以外は対岸の敷地境界線に一致するので注意してください。スレッド「JG_日影測定線」の操作方法で解説しています。
最後に敷地に平行な行き止まり道路に接する場合です(G図)。この場合、反対側の道路境界線の入力は1カ所のみです。延焼線の円弧の中心は、道路中心線の端部ではなく、隣地境界線と道路中心線を仲介する「みなし境界線」と隣地境界線の交点になります。